○ヒグマと地域住民等との軋轢
斜里町、羅臼町のヒグマ目撃件数は全道的にみても突出して多く、特に、平成24年度は昨年度と比べて大幅な目撃・対応件数となった。例年7月頃に迎える目撃ピークも、平成24年度は8月にずれ込み、観光利用の集中時期と重なったことで、観光客との軋轢や、ごみの放置、餌やり、異常接近行為などの不適切な行為も目立った。近年、人の存在を恐れず避けない個体が増加し、利用者とヒグマとの遭遇や住民の生活圏への出没などが日常的に発生している。その結果、人家や道路付近への出没時の対応件数が増加するとともに、遊歩道などの頻繁な閉鎖や、農業・漁業被害が発生しており、住民の不安感も増大している。遺産地域の利用者や漁業者の活動圏、隣接する住民の生活圏等へのヒグマの出没の増加により対策活動件数が増大していることや、ヒグマを観察したい利用者と事故を未然に防ぐために活動している保護管理活動従事者との間の対立が重要な課題となっている。また、国立公園内外や、ルシャ・ルサ間などのように、対応レベルの違う地域間を同一個体が行き来した場合に、クマの方は同じ行動をしても人の対応が違ってくる。つまりある地域では人や建物に近づいても対応は特に生じないが、同じ個体が違う地域に移動した場合には、追い払いや駆除に至る場合もある。
なお、近年は地元猟友会の会員数の減少や高齢化、捕獲技術の伝承等が課題となっている。