知床には、開拓時代から豊富な歴史があります。知床をよく知っていただくため、ここに開拓時代から世界遺産登録後の取り組みまでの主要な歴史事象をピックアップして知床の歴史年表としました。
明治時代 | 1874(明治 7)年 | 開拓使雇技師ライマン、知床半島の鉱物資源踏査を行う | |||
大正時代 | 1914(大正 3)年 | 岩尾別に最初の開拓者入植 | |||
1925(大正14)年 | 岩尾別開拓地の全戸が退去 | ||||
1940年代 | 1949(昭和24)年 | 戦後緊急開拓政策による岩尾別入植 | |||
1950年代 | 1953(昭和28)年 | 知床半島初の学術調査実施 | |||
1960年代 | 1960(昭和35)年 | 森繁久彌主演の映画「地の涯てに生きるもの」撮影・公開 | |||
1961(昭和36)年 | 国の自然公園審議会が知床の国立公園指定を答申 作家戸川幸夫著『知床半島 野性への旅I』発行 |
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1962(昭和37)年 | 知床林道着工(1969年開通) | ||||
1963(昭和38)年 | 知床横断道路着工、知床岬灯台竣工 | ||||
1964(昭和39)年 | 知床国立公園指定 知床半島めぐり観光船就航 |
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1965(昭和40)年 | 北海道教育委員会による知床半島総合調査 | ||||
1966(昭和41)年 | 厚生省が羅臼に国立公園管理員を配置 岩尾別開拓地(斜里町)の24戸が集団移転 |
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1970年代 | 1971(昭和46)年 | 加藤登紀子「知床旅情」のヒットと観光ブーム | |||
1977(昭和52)年 | しれとこ100平方メートル運動開始 知床岬地区に避難港完成 |
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1978(昭和53)年 | 斜里町立知床博物館開館 | ||||
1979(昭和54)年 | 北海道による知床半島生態系総合調査(〜1980年) | ||||
1980年代 | 1980(昭和55)年 | 知床横断道路開通(国道334号) 知床自然教室開始 遠音別岳原生自然環境保全地域指定 |
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1982(昭和57)年 | 国設知床鳥獣保護区指定 斜里猟友会が春グマ駆除を自粛環境庁によるシマフクロウ保護増殖事業開始 |
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1983(昭和58)年 | 羅臼ビジターセンター開館 | ||||
1984(昭和59)年 | 環境庁による遠音別岳原生自然環境保全地域調査 | ||||
1986(昭和61)年 | 知床国有林伐採問題(翌年伐採計画中止) | ||||
1988(昭和63)年 | 知床自然センター開館(現・公益財団法人 知床財団) | ||||
1990年代 | 1990(平成 2)年 | 知床森林生態系保護地域指定 スノーモビル乗り入れ規制開始 |
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1991(平成 3)年 | 環境庁がウトロに国立公園管理官を配置 | ||||
1993(平成 5)年 | シマフクロウ保護増殖事業計画策定 | ||||
1994(平成 6)年 | 斜里・羅臼両町で世界自然遺産登録への取り組み検討開始 知床国立公園指定30周年記念式典開催 |
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1997(平成 9)年 | しれとこ100平方メートル運動が土地保全の募金目標達成 森林再生事業を本格的に開始 |
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1999(平成11)年 | 知床五湖・カムイワッカ間のマイカー規制開始 | ||||
2000年代 | 2001(平成13)年 | 「知床国立公園適正利用基本構想検討会」を設置 | |||
2002(平成14)年 | 国指定知床鳥獣保護区の改訂(面積拡大、特別保護指定区域新設等) | ||||
2000年代 | 2003(平成15)年 | 「知床世界自然遺産候補地地域連絡会議」を設置 | |||
2004(平成16)年 | 1月 | ユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出 |
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7月 | 「知床世界自然遺産候補地科学委員会」を設置 国際自然保護連合(IUCN)による現地調査 平成16年7月20日〜26日にかけて、世界遺産委員会の諮問機関であるIUCNのデビッド・シェパード保護地域事業部長が来日し、現地調査を実施。 |
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8月 | IUCNからの追加質問 IUCNから書簡の送付があり、知床に関するIUCNの意見が通知されるとともに、その意見に対する日本政府の見解が求められた。
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11月 | IUCNからの追加質問に対する回答 平成16年8月に送付のあったIUCNからの書簡に対して回答を提出。
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12月 | IUCN評価委員会 IUCNが知床を含む世界自然遺産の新規推薦物件についての評価委員会を開催。 |
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2005(平成17)年 | 公園計画の一部変更(海域普通地域の拡張) オオワシ・オジロワシ保護増殖事業計画策定 |
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2005(平成17)年 | 2月 | IUCNからの再質問 IUCNから書簡の送付があり、IUCN評価委員会での知床に関する意見について通知されるとともに、その意見に対する日本政府の見解が求められた。
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3月 | IUCNからの追加質問に対する回答 平成17年2月に送付のあったIUCNからの書簡に対して回答を提出。
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5月 | IUCNが評価報告書を作成し、ユネスコ世界遺産センターへ提出 IUCNが第29回世界遺産委員会において審査対象となる世界自然遺産候補地の評価結果をユネスコ遺産センターに提出し、知床については登録が適当であると勧告。 |
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7月 | 第29回世界遺産委員会 平成17年7月10日〜17日にかけて、南アフリカ共和国のダーバンで開催された第29回世界遺産委員会において、知床の世界遺産一覧表への記載が決定。
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知床国立公園の区域を沿岸1kmから3kmに拡張 | |||||
2006(平成18)年 | ルシャ川(北海道)、赤イ川(林野庁)のダムの改良 エゾシカWGでの助言をもともとに「知床半島エゾシカ保護管理計画」策定 |
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2007(平成19)年 | 知床エコツーリズム推進協議会が「知床エコツーリズムガイドライン」策定 海域WGの助言をもとに「知床世界遺産地域多利用型統合的海域管理計画」策定 ピリカベツ川(林野庁)、サシルイ川のダムの改良 知床岬エゾシカ密度操作実験を開始 羅臼地区に『知床世界自然遺産・知床国立公園羅臼ビジターセンター』を開館 「知床世界自然遺産候補地科学委員会」から「知床世界自然遺産地域科学委員会」 に移行 |
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2008(平成20)年 | 「知床国立公園先端部地区利用の心得」の策定 | ||||
2月 | ユネスコ世界遺産センター及び国際自然保護連合(IUCN)による現地調査 平成20年2月19日〜22日にかけて、キショール・ラオ氏(ユネスコ世界遺産センター次長)とデビット・シェパード氏(IUCN 保護地域事業部長)が来日し、現地調査を実施した。期間中は天候に恵まれ、現地調査は予定どおり行われた。調査に際して、日本政府から調査団に保全状況報告書を提出した。
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5月 | 現地調査の報告書 IUCNが作成した現地調査の報告書がユネスコ世界遺産センターから送付された。本報告書では、多様な主体の参画と科学的知見に基づいて行われている知床の保全管理を賞賛するとともに、今後の助言として17項目の勧告が盛り込まれている。
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6月 | 現地調査の報告書に対するコメント 平成20年6月9日に現地調査の報告書に対するコメントをユネスコ世界遺産センターに提出した。
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7月 | 第32回世界遺産委員会 平成20年7月2日〜10日にかけて、カナダのケベックで開催された第32回世界遺産委員会において、知床の保全状況の最終的な評価がなされた。
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2009(平成21)年 | 環境省、林野庁、文化庁、北海道が「知床世界自然遺産地域管理計画」![]() 「知床国立公園知床半島中央部地区利用の心得」 ![]() | ||||
4月 | ウトロ地区に『知床世界遺産センター』を開館 4月19日、知床世界自然遺産の見どころや自然のリアルタイムの情報をお知らせするとともに、知床世界自然遺産の管理について最新の情報を提供する『知床世界遺産センター』を開館。 |
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6月 | ルサ地区に『ルサフィールドハウス』を開館 6月6日、知床岬に徒歩やシーカヤックで行こうとする人のための情報や、知床の「海」に関する情報を提供する『ルサフィールドハウス』を開館。 |
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2010(平成22)年 | 「知床国立公園利用適正化検討会議」から「知床世界自然遺産地域適正利用・エコツーリズム検討会議」 に移行 知床五湖高架木道(一湖畔まで全長800m)開通 公園計画の一部変更(利用調整地区の指定・生態系維持回復事業の追加) |
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2011(平成23)年 | 1月 | IUCNへの定期的な連絡の一環として、平成20年7月の勧告への対応状況に関する中間報告を提出。 | |||
知床五湖で「利用調整地区制度」の適用開始 知床五湖フィールドハウス及びパークサービスセンター開館 道路特例使用制度試行によるカムイワッカから硫黄山登山口の利用再開 |
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2012(平成24)年 | 1月 | 平成20年7月の勧告への対応状況に関する本報告を提出。 対応状況の報告(英文) ![]()
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対応状況の報告(和文)![]() |
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「第2期知床半島エゾシカ保護管理計画」 策定![]() 「知床半島ヒグマ保護管理方針」 策定 「長期モニタリング計画」 策定 ![]() |
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第36回世界遺産委員会 平成24年6月24日〜7月6日にかけて、ロシアのサンクトペテルブルクで開催された第36回世界遺産委員会において、知床の保全状況の審議がなされた。
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12月 | 河川工作物WGにおいて改良が適当と判断された5河川13基全ての 河川工作物の改良が終了。 |
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2013(平成25)年 | 「知床エコツーリズム戦略」 策定![]() 「第2期知床世界自然遺産地域多利用型統合的海域管理計画」策定 ![]() 知床国立公園管理計画の改定 |
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2015(平成27)年 | 1月 | 第36回世界遺産委員会決議に関する保全状況報告を提出。
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7月 | 平成27年6月28日〜7月8日にかけて、ドイツのボンで開催された第39回 世界遺産委員会において、知床の保全状況の審議がなされた。
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2016(平成28)年 | 4月 | 北海道知床世界自然遺産条例及び世界自然遺産・知床の日(1月30日)を 制定 | |||
11月 | 第39回世界遺産委員会決議に関する保全状況報告を提出
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2017(平成29)年 | 4月 | 「第3期知床半島エゾシカ管理計画」策定![]() 「知床半島ヒグマ管理計画」策定 ![]() |
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7月 |
第41回世界遺産委員会 平成29年7月2日〜12日にかけて、ポーランドのクラクフで開催された第41回世界遺産委員会において、知床の保全状況報告の審議がなされた。
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2018(平成30)年 | 3月 | 「第3期知床世界自然遺産地域多利用型統合的海域管理計画」策定![]() |
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11月 | 第41回世界遺産委員会決議に関する保全報告書を提出。 保全状況報告(英文) ![]()
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保全状況報告書(和文)![]()
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2019(平成31)年 | 4月 | 「長期モニタリング計画」改定![]() |
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7月 |
第43回世界遺産委員会 令和元年6月30日〜7月10日にかけて、アゼルバイジャンのバクーで開催された第43回世界遺産委員会において、知床の保全状況の審議がなされた。
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9月 | 国際自然保護連合(IUCN)による現地調査 令和元年9月24日〜25日にかけて、IUCNサケ科魚類専門家グループ ピ−ト・ランド氏が来日し、現地調査を実施した。
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2020(令和2)年 | 3月 | 現地調査の報告書 IUCNが作成した現地調査の報告書がユネスコ世界遺産センターのホームページに掲載された。
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11月 | 第43回世界遺産委員会決議に関する保全報告書を提出。
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2021(令和3)年 | 7月 |
第44回世界遺産委員会 令和3年7月16日〜7月31日にかけて、オンラインにて開催された第44回世界遺産委員会において、知床の保全状況の審査がなされた。
第44回世界遺産委員会は2020年に中国の福建省で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となり、2021年に2020年の審議分と合わせて、第44回世界遺産委員会拡大会合としてオンラインにて開催されました。
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2022(令和4)年 | 11月 | 第44回世界遺産委員会決議に関する保全状況報告書を提出。
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2023(令和5)年 | 3月 | 知床世界自然遺産・公開シンポジウムを開催 | |||
「第4期 知床世界自然遺産地域 多利用型統合的海域管理計画」策定
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9月 |
第45回世界遺産委員会 令和5年9月10日〜9月25日にかけて、サウジアラビアのリヤドにて開催された第45回世界遺産委員会において、知床の保全状況の審査がなされた。
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2024(令和6)年 | 11月 | 第45回世界遺産委員会決議に関する保全状況報告書を提出。
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