資料名 |
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調査主体・事業費 |
環境省・約1420万円 |
評価項目 |
遺産登録時の生物多様性が維持されていること。 |
評価指標 |
在来種の種数と種組成、採食圧への反応が早い植物群落(ササ群落etc.)の属性(高さ・被度など)、外来種の分布及び個体数、登山道沿いの踏圧状況、ハイマツ帯の分布 |
評価基準 |
在来種の種数と種組成:1980年代の状態へ近づくこと。 |
<平成24年度の具体的調査手法>
岩尾別から羅臼平、羅臼平から二ッ池、羅臼平から羅臼キャンプ場の各区間を踏査し、それぞれシカの個体の目視のほか、鳴き声、足跡、糞、食痕を記録した。また、固定調査区において毎木調査、下枝調査、稚樹調査、林床植生調査を行った。
<平成24年度の具体的調査データ>
○知床連山地域におけるエゾシカ広域採食圧調査
○登山道周辺の森林モニタリング調査区の調査
<コメント>
○知床連山地域におけるエゾシカ広域採食圧調査
山麓部も含めて80種類の植物に食痕が見つかった。2011年に確認された120種類と合わせ重複を除くと146種類であり、そのうちレッドリスト該当種は6種、公園指定植物は34種、高山植物は42種だった。食痕種数の踏査1km当たりの密度は、平均16.6/kmだった。食痕数量の累計は3068だった。踏査1km当たりの密度は平均167.3/km。エゾシカの足跡を確認したのは3地点、糞を確認したのは2地点だった。
○登山道周辺の森林モニタリング調査区の調査
前回調査とほぼ同程度の食痕確認、大きな変化はなかった。斜里側の調査区ではミズナラの萌芽などに高い頻度で食痕が見られ、ササも衰退している。また、調査区外ではあるが、オヒョウの樹皮剥ぎも確認された。一方で羅臼側の調査区では、森林植生への影響は軽微である。前回調査でシカによるササへの採餌圧が予想されたが、今回はササをはじめ林床植生に食痕はまったく認められなかった。低標高域でも羅臼側に比べて斜里側でシカの影響が甚大であるが、斜里側では高標高域までシカの影響が広く及んでいることをうかがわせる。また、シカの分布や影響範囲の広がり方は一様ではなく、特に山岳域への拡大は低標高域よりも一層、不均一になりやすいことがうかがえる。