資料名 |
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調査主体・事業費 |
環境省・約1420万円 |
評価項目 |
遺産登録時の生物多様性が維持されていること。 |
評価指標 |
在来種の種数と種組成、採食圧への反応が早い植物群落(ササ群落etc.)の属性(高さ・被度など) |
評価基準 |
在来種の種数と種組成:1980年代の状態へ近づくこと。 |
<平成24年度の具体的調査手法>
知床岬アブラコ湾のガンコウラン群落(15m×15m)、エオルシ岬山地高茎草本群落(1m×1m、10箇所)、羅臼側台地亜高山高茎草本群落(20m×20m)の柵内外において、各方形区における出現種の被度%、草本層の植被率、生育段階(栄養状態、開花状態など)ならびに群落高を記録した。
<平成24年度の具体的調査データ>
○ガンコウラン群落
○山地高茎草本群落
○亜高山高茎草本群落
<コメント>
○ガンコウラン群落
出現種については、柵内外で共通してヒメエゾネギ・ヒロハノカワラサイコ・ウシノケグサが優占していた。柵内と柵外を比較すると、全体的に柵内の植生の現存量が高く回復を示していると言えるが、植被率については、柵内でここ数年変化がないため、今年は柵内外でほぼ同じ値となった。柵外でも生育高は低いものの、多くの種で回復が見られ、ここ数年のエゾシカの捕獲による植生への影響が出ていると思われる。
○山地高茎草本群落
クサフジ・ハマニンニク・オオヨモギなどが強い回復傾向を示す種として抽出された。エゾゼンテイカも徐々に回復してきている。一方、エゾオオバコやカラフトイチゴツナギは設置後減少を続けており、植生回復による植生高や被覆量の上昇の影響を受けている種であると言える。
○亜高山高茎草本群落
種ごとの優占度では、柵外の対照区の第一草本層で依然としてトウゲブキが優占した。柵内の無処理区のトウゲブキは、近年減少傾向にあったが、今年度は大幅に減少した。オオヨモギが生育高・被度とも急増しており、調査区の植生概観が大きく変わりつつある。
トウゲブキ以外では、処理区でエゾオオバコ、オオウシノケグサやヤマカモジグサも減少している。オオヨモギ・アキタブキ・シレトコトリカブト・アキカラマツ・ヤマブキショウマなどが増加しており、回復の指標として期待される。一時期回復していたクサフジやヒロハクサフジは、他の植物に被圧されて減少した。