ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成23年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

III 知床世界自然遺産地域の生態系と生物多様性の現況と評価

2. 河川生態系

3. 海洋生態系

(2)海棲哺乳類

知床周辺海域では2目9科22属28種の海棲哺乳類が確認されており、主な海棲哺乳類としてはクジラ類、イルカ類などの鯨類、トド、アザラシ類などの鰭脚類などが挙げられる。 また、これら海棲哺乳類は、遺産地域内海域における高次捕食者であり、季節移動のルート、採餌及び繁殖場として知床周辺海域を利用している。

氷上繁殖をするアザラシ類(ゴマフアザラシ、クラカケアザラシ、ワモンアザラシ及びアゴヒゲアザラシ)は、本海域の季節海氷を利用して採餌と繁殖をしている。 冬期間広範囲に渡る調査のため、天候や流氷の状況などにより調査結果が左右され生息状況の把握が困難であるが、アザラシ猟の衰退や人間の利用の低下により、オホーツク海全体に生息するゴマフアザラシの個体数は増加傾向にあると考えられる。

また、トドは冬から春にかけてロシア海域の繁殖場・上陸場から来遊し、越冬・採餌海域として生物生産性が高い本海域を利用している。 日本に来遊するトドが属するアジア・日本集団の個体数は1990年代以降漸増傾向が続いている。引き続き来遊状況、被害状況等の把握に努め、回遊経路についても調査を進める必要がある。