ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成23年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

付録

1. 知床世界自然遺産地域の平成23年度レクリエーション利用状況

4. 平成23年度実施ソフト事業

5. 普及啓発イベント一覧

6. 普及啓発資料一覧

7. 各種会議等の開催状況

8. 事務所一覧

(2) ケイマフリ・ウミネコ・オオセグロカモメ・ウミウの生息数、営巣地分布と営巣数調査

資料名 平成23年度知床国立公園ウトロ海域における海鳥調査業務
調査主体・事業費 環境省・約420万円
評価項目

海洋生態系と陸上生態系の相互関係が維持されていること。

遺産登録時の生物多様性が維持されていること。

遺産地域内海域における海洋生態系の保全と持続的な水産資源利用による安定的な漁業が両立されていること。

レクリエーション利用等の人為的活動と自然環境保全が両立されていること。

評価指標 営巣数とコロニー数、特定コロニーにおける急激な変動の有無
評価基準

ケイマフリ:営巣数80以上が望ましい。最低でも50を下回らぬこと。

ウミウ:営巣数700を下回らぬこと。

ウミネコ:営巣数800を下回らぬこと。

オオセグロカモメ:ウミネコの回復を妨げない。営巣数の維持。急激な変動の有無(捕食者、人為的影響)。

<平成23年度の具体的調査手法>

大型観光船に乗船し、半径300m内の観察幅内で観察可能なすべての海鳥および海洋性哺乳動物について種を同定した。ケイマフリ、ウミウ、ウミネコ、オオセグロカモメの4種に対し、小型船舶から発見した海鳥の巣の位置および数を記録した。

プユニ岬からエエイシレド岬間において、海上および陸上で発見したケイマフリの個体数・位置などの情報や、巣に出入りする親鳥を観察し、巣の位置と数を記録した。洋上からケイマフリの親鳥が採食した餌資源の目視および写真判定を行ない、餌として利用されている魚種を同定した。

<平成23年度の具体的調査データ>

(1) 2011年知床半島斜里町側における海鳥の海上ラインセンサス
  25種類の海鳥が記録された。

(2) 2011年知床半島における海鳥の生息状況調査
  ア) ケイマフリの生息海域の分布や繁殖地等の生息状況調査(海上分布調査)
     最高個体数は6月17日の142羽であった。個体数密度の高い海域はプユニ岬であった。
  イ) ケイマフリの営巣分布調査
     全体で44巣を確認した。最も多かった営巣地はプユニ岬の22巣であった。
  ウ) 2011年における知床半島における海鳥の繁殖分布状況調査
     オオセグロカモメ1153巣、ウミネコ256巣、ウミウ439巣を確認した。

(3) ケイマフリの採食状況調査
  ア) ケイマフリの採食・食性調査
     イカナゴ68、ギンポ類5、カタクチイワシ2、カジカ類4、カレイ類1、魚種不明5の
     85個体の捕食を観察した。

<コメント>

昨年に比較し観察された海鳥の数がかなり少なかった。昨年は度々1000羽を超える海鳥が観察されたが、本年は7月30日に901羽を観察したのが最高であった。減少した海鳥について解析すると、知床で繁殖する海鳥ではウミウが減少したものの、それよりも渡り鳥の大幅な減少によるものであった。

ケイマフリの海上個体数の経年変化については、2007年から2010年に至るまで最大個体数は100羽を切っており、平均個体数は60羽前後にとどまっている。

2011年は、2006年以降減少していた個体数が大幅に増えた。平均個体数も94羽と増加したが最小個体数は25羽で2010年の21羽と比較した数が大幅に増えていなかった。2011年は日別の個体数の増減が多い年であったとか考えられる。最大羽数が前年比46羽も増加した。