平成23年度の出没状況
斜里町における平成23年度のヒグマの目撃件数は830件であり、平成5年以降で過去2番目の多さとなった。ヒグマの人為的死亡数(狩猟・駆除・交通事故等)は27頭(うちメス成獣は5頭)で、内訳は駆除19頭、狩猟8頭である。駆除要因として最も多いのは農作物の加害で13頭であった。
6月には斜里市街地へ単独ヒグマが侵入し、駆除も視野に入れたパトロールを行うが捕獲には至らず、斜里市街地への侵入が前年に引き続き2回目となることから町で電気柵を設置した。10月から11月にかけウトロ市街地に2頭のヒグマが頻繁に侵入し、干し魚やゴミへの被害や、民家ベランダにヒグマが侵入する事例も発生し、このヒグマ2頭は駆除された。
羅臼町のヒグマの目撃件数は270件で、データのある平成19年以降で最多となった。ヒグマの人為的死亡数は15頭(うちメス成獣は2頭)で、内訳は駆除13頭、狩猟1頭、事故1頭であった。7月から12月にかけて、魚やゴミを荒らされる事例が19件発生した。
ヒグマ保護管理方針、3町で策定
知床のクマは、遺産地域から標津町まで移動することがある。クマは通常人を避けるが、最近、クマを恐れぬ観光客と人慣れしたクマがともに増えている。すでに地元で行っている追い払いや捕獲などの管理施策を明文化するため、斜里・羅臼・標津3町で遺産地域の保護管理方針を策定した。クマと人間のどちらを優先するかにより、3町を5種類のゾーンに分け、クマの人慣れの段階別に対処方針を決めた。
人を避けないクマは遺産最深部のゾーン1では放置するが、市街地のゾーン5では捕殺対象とする。知床五湖などのゾーン3では捕殺を避けつつ観光客にも配慮する工夫が必要であり、難しい対応を迫られる。今後もクマの人慣れが進むならば、5年後の見直しでは、ゾーンごとの人とクマの行動を、もっと踏み込んで管理する必要に迫られるだろう。今から、そのための話し合いが必要である。(松田委員)