平成27年1月15日に第36回決議に対する保全状況報告を提出した。平成27年6月28日〜7月8日にドイツのボンで開催された第39回世界遺産委員会では、知床に関する審議が行われ、トドの健全な個体群を維持するための対策や、ルシャ川のダムや道路、橋の完全撤去について新たな決議がなされた。知床世界自然遺産地域科学委員会に関連する海域ワーキンググループ及び河川アドバイザー会議等の各WGにおいて、これらの決議への対応の検討が進められることとなった。
第39回世界遺産委員会 知床に関する決議について(抜粋)
○ 日本海や資産内におけるトドの健全な個体群を維持するための締約国の努力に留意し(notes)、資産内及びより広域な海上景観において安定〜増加するトドの個体数を維持するために、採捕上限頭数を定期的に点検・調節するよう、強く勧める(urges)。
○ 更に締約国に対し、ルシャ川の3つのダムの影響を十分に緩和するため、地方自治体及び地域住民と緊密に協議しつつ、これらのダムについて完全撤去という選択肢の検討を含む更なる改善を継続すること、また、水面下のコンクリートの除去という選択肢も検討すること、更に、表流水と伏流水の正常な流れを回復させるとともに河川の枝別れや蛇行化を促進することでサケ科魚類の産卵環境を改善させるために、旧孵化場に通じる道路や橋を完全に廃止・撤去することを、強く勧める(urges)。
○ 締約国及びIUCN のSCC サケ科魚類専門家グループに対し、現在得られる最善の科学的知見に基づき、最も適切かつ実践可能な解決策に関するコンセンサスを見出すこと、及び、これらの課題に関する助言を行うIUCNの諮問ミッションを招聘する可能性を検討することを勧告する(recommends)。
○ また、締約国に対し、2017 年の第41 回会合での世界遺産委員会による検討のために、世界遺産センターに2016 年12 月1 日までに、本資産の保全状況や上記の実施状況について、1 ページの要約を含む最新の報告書を提出するよう要請する(requests)。