平成27年度は、河川工作物アドバイザー会議委員の交代があり、中村座長を除く旧委員4名が退任し、新たに5名の委員を迎え河川工作物アドバイザー会議を実施した。
10月14〜15日にかけて開催した第1回河川工作物アドバイザー会議では、平成27年7月にドイツのボンで開催された第39回世界遺産委員会において知床の保全状況に関する決議がなされ、ルシャ川に関し
・ダムについて完全撤去の選択肢の検討を含む更なる改善を継続すること、また水面下のコンクリート除去という選択肢も検討すること。
・表流水と伏流水の正常な流れを回復させるとともに河川の枝分かれや蛇行化を促進することで、サケ科魚類の産卵環境を改善させるために、旧ふ化場に通じる道路や橋を完全に廃止・撤去すること。
・IUCNサケ科専門家グループに対し、現在得られる最善の科学的知見に基づき、最も適切かつ実践可能解決策に関するコンセンサスを見出すこと。及び、これらの課題に関する助言を行うIUCNの諮問ミッションを招聘する可能性を検討すること。
など勧告が出され、これら課題に対する検討を開始した。
具体的には、ルシャ川のダムについてさらなる改良を検討した場合、防災機能の維持とサケ・マスに与える産卵環境の変化等について水理模型実験を実施し、その結果及び今後の課題など検討を行い、引き続き改良に向けた検討をしていくこととなった。
ルシャ川にかかる橋については、漁業者等の利用実態等もあり、将来的には橋が存しない場合にどのような渡河方法が検討できるのか検討を始めた。
また、平成26年度から引き続き検討している第2次検討ダム(改良すればサケ科魚類の生息環境等の改善が図られる可能性があるものの、改良に伴う防災機能等への全体的な影響が大きいため現状維持と評価した河川工作物)のうち先行して検討を進めることとした、羅臼町側のモセカルベツ川、オッカバケ川のダムについて改良案を示し検討を行い、引き続き検討を深めていくこととなった。