ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成27年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

はじめに

知床世界自然遺産地域
区域図

第2章 課題対応
(保全管理)

1. エゾシカ

2. ヒグマ

3. シマフクロウ

4. オオワシ・オジロワシ

5. 外来種

6. 海域

7. 河川工作物

8. 長期モニタリング

9. 管理機関以外の遺産地域内での取組

1. 管理計画の実施状況一覧

2.ヒグマ

知床国立公園内におけるヒグマ目撃件数は斜里町で1,301件、羅臼町で255件の計1,556件となり、「大量出没年」となった平成24年度に次ぐ多さとなった。

<斜里町>

斜里町内の国立公園におけるヒグマ目撃件数は1,301件と前年度の703件から著しく増加した。目撃件数は、6月以降に大幅に増え8月に最多となったが、9月以降は再び減少した。地区別では、例年通り観光客が集中する幌別・岩尾別地区や知床五湖園地地区で多くの目撃があったが、イダシュベツ・カムイワッカ地区や知床横断道地区においても目撃件数が増加した。

ヒグマによる人身事故は発生しなかったが、危険なヒグマの出没や遭遇事例が31件あった。国立公園内では、ヒグマが車両に足をかけ車内を覗き込む事例が複数回発生した。また、目撃件数が増加した知床横断道路では親子ヒグマが頻繁に出没し目撃され、自転車が追いかけられたり、威嚇突進されたりする危険な事例も発生した。

<羅臼町>

羅臼町内の国立公園におけるヒグマ目撃件数は255件あり、昨年度の62件から大幅に増加した。目撃件数は7月が最も多く、ルサ−知床岬地区で最多となった。羅臼町内における目撃件数は、ルサ−知床岬地区及び湯ノ沢町−知床峠地区、羅臼市街地北側−岬町地区の全ての地区で増加した。

ヒグマによる人身事故は発生しなかったが、危険なヒグマの出没や遭遇事例が9件あった。水産加工場内の作業場や汚水槽が荒らされる被害や、民家のゴミや干し魚が持ち去られる被害が目立った。

ヒグマの人為的死亡個体数は、斜里町で49頭(有害捕獲34頭、狩猟13頭、事故死2頭)、及び羅臼町で19頭(有害捕獲17頭、狩猟1頭、事故死1頭)の合計68頭となり、過去最多となった。

(データ:平成28年度第1回知床世界自然遺産地域科学委員会
「資料2−1:No20 ヒグマの目撃情報・出没状況、被害発生状況に関する調査」)

図7.斜里町と羅臼町におけるヒグマの捕獲数
(R:羅臼町、S:斜里町、hunting:狩猟による捕獲、control:有害捕獲)

(データ:平成28年度第1回知床世界自然遺産地域科学委員会
「資料2−1:No20 ヒグマの目撃情報・出没状況、被害発生状況に関する調査」)