これまでに知床では、河川工作物(ダム)の改良やエゾシカの個体数調整、エコツーリズム戦略など、平成20年2月に実施されたIUCN(国際自然保護連合)の現地調査により出された遺産地域の保全管理に関する17項目の勧告(課題)について取り組みを進めてきた。その後、平成24年に開催された第36回ユネスコ世界遺産委員会では、ダムのさらなる改良やトドの個体数の動向の2項目について追加報告が要請されていた。
平成26年度に環境省と林野庁では、サケ科魚類の遡上数や産卵床数などのモニタリングの実施状況や、ダム改良の検討状況についてユネスコ世界遺産センターへ追加報告を提出した(平成27年1月15日)。本報告は、同年1月22日に受理され、平成27年度6月に開催の第39回ユネスコ世界遺産委員会で対応状況が検討されることとなった。
○ルシャ川でサケ科魚類の移動と産卵を確保するための、既存ダムのさらなる改良
→漁業関係者など地域の理解と協力を得ながら検討を行い、平成27年を目標に具体的な改良方法の決定を目指す。
○トドの年間捕獲割り当て数と実際の捕獲数に関する情報の提供。遺産地域内のトドの個体数の動向の報告。
→平成21年度以降の数値と算出根拠、漁業被害の発生状況などについて報告。多利用型統合的海域管理計画に基づいた調査を今後も実施し、その結果について科学委員会などの助言を受けつつ取り組みを進める。