ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成26年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

はじめに

知床世界自然遺産地域
区域図

第2章 課題対応
(保全管理)

1. エゾシカ

2. ヒグマ

3. シマフクロウ

4. オオワシ・オジロワシ

5. 外来種

6. 海域

7. 河川工作物

8. 長期モニタリング

9. 管理機関以外の遺産地域内での取組み

1. 管理計画の実施状況一覧

9.管理機関以外の遺産地域内での取組

<斜里町によるしれとこ100平方メートル運動>

「しれとこ100平方メートル運動」は、かつて乱開発の危機にあった知床国立公園内の開拓跡地を保全し、原生の森を復元する取り組みである。全国の多くの賛同者からの寄付によって、すべての開拓跡地の買い取りを終え、現在は、「100平方メートル運動の森・トラスト」として、森林再生、生物相復元、交流事業を柱に、運動地の自然再生に取り組んでいる。

○森林再生事業の取組

森づくり作業は運動地を5区画に分け、1年に1区画ずつ、5年でひと回りする回帰作業  方式を基本としている。

平成26年度は、第4次回帰作業の2年目。秋には、樹高4m程の中型広葉樹苗42本を苗畑から山出しし、防鹿柵内に植え込んだ。また、昨年と同様に苗畑で育成した樹高10m近くにもなる大型広葉樹苗をアカエゾマツ植林地の穴地に移植する作業を行った。知床本来の森林構成である針広混交林の形成に向け、大型広葉樹苗の移植作業は、柵だけに頼らない森づくりを進めていく手法として、今後も期待しているものである。

○生物相復元事業の取組

運動地を流れる川にサクラマスを復元させる取組を行っている。平成26年度は、岩尾別川と幌別川において産卵状況調査を行った。いずれの河川も、発眼卵放流による回帰率は低く、安定生産には至っていない。また、カラフトマス・シロザケの自然産卵促進を目的として、ウライを開放し、上流への遡上させる取り組みを実施している。

また、平成23年度からはダイキン工業株式会社からの支援をうけ、岩尾別川で「カツラの森、命あふれる川の復元事業」を実施している。平成26年度は、河畔林の保全再生を目的とした防鹿柵の設置、直線化した河道の修正作業や人為的な構造物(土手)の解消を行い、サクラマスやオショロコマ等の生息環境の向上に努めた。

○交流事業・運動地公開の取組

平成26年度は交流事業として、知床自然教室、しれとこ森の集い、森づくりワークキャンプを実施し、133名の運動参加者や町民が参加した。

また、知床自然センター隣接する運動地に、運動地公開コース「しれとこ森づくりの道ホロベツルート」を開設した。さらに、知床国立公園50周年の記念事業として、運動地内に複数の歩道(トレイル)の試験的な設置・供用を行い、100平方メートル運動地の公開と普及に努めた。