通常、春の大型連休の前に開通する国道334号の斜里町岩尾別‐羅臼町湯ノ沢間(知床横断道路)の開通が、度重なる季節外れの降雪により、約1か月遅れて6月1日となった。昼間だけの開通を始めた1989年以降で、最も遅い開通となった。4月28日には、斜里町ウトロで24時間の積雪量が45センチにも達し、例年であれば観光客でにぎわう知床五湖駐車場にも40‐50センチもの雪が積もったため、終日閉鎖となった。また、大型連休後の5月8日には斜里町ウトロで積雪18センチが記録されたほか、5月13日には羅臼町で積雪3センチが記録されるといった低温の日も続いた。知床横断道路は、遺産地域に訪れる観光客の多くが利用することから、開通の遅れは遺産地域の観光に影響を与えたほか、斜里町と羅臼町を往来する地元住民へも影響を与えた。
知床峠の開通が遅れたことによる観光への影響は、特に羅臼町で大きく、羅臼町内への5月の観光客入込数は、平成24年に36,864人だったのに対し、平成25年は33,238人と10 %減少、平成25年5月の観光施設利用者数の平成24年同月比は、羅臼ビジターセンターで71%(1,793人)、ルサフィールドハウスで69%(442人)、道の駅らうすの利用者数で40%(6,793人)と低くなった。
なお、道道知床公園線の知床五湖‐カムイワッカ湯の滝間についても、例年以上の積雪のため開通が約1カ月遅れ7月1日であった。