ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成25年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

はじめに

知床世界自然遺産地域
区域図

第2章 課題対応
(保全管理)

1. エゾシカ

2. ヒグマ

3. シマフクロウ

4. オオワシ・オジロワシ

5. 外来種

6. 海域

7. 河川工作物

8. 長期モニタリング

9. 管理機関以外の遺産地域内での取組み

1. 管理計画の実施状況一覧

9.管理機関以外の遺産地域内での取組

<斜里町によるしれとこ100平方メートル運動>

○森林再生事業の取組

森づくり作業は運動地を5区画に分け、1年に1区画ずつ、5年でひと回りする回帰作業方式を基本としている。平成25年度は、第4次回帰作業の初年度であった。苗畑での除草や苗木の根づくりを行い、秋には小型の広葉樹苗約200本を防鹿柵の中に植え込んだ。

また、苗畑で育成した樹高5〜10mにもなる大きな広葉樹苗をアカエゾマツ植林地の穴地に移植する作業を行った。

その他、防鹿柵や樹皮保護ネット補修や森づくりの経過観察のため植生調査や定点撮影行った。

○生物相復元事業の取組

運動地を流れる川にサクラマスを復元させる取組を行っている。平成25年度は、岩尾別川と幌別川において産卵状況調査を行った。いずれの河川も、発眼卵放流による回帰率は低く、安定生産には至っていない。

また、平成23年度からダイキン工業株式会社からの支援をうけ「カツラの森、命あふれる川の復元事業」として、岩尾別川流域の河川環境を改善するため、平成25年度は、河畔林を保全再生するための防鹿柵の設置、直線化した河道の修正作業等を実施し、サクラマスやオショロコマ等の生息環境の向上に努めた。

○交流事業・運動地公開の取組

平成25年度は、知床自然教室、しれとこ森の集い、森づくりワークキャンプを実施し、127名の運動参加者や町民が参加した。また、運動の取組を伝える場所としての整備するための、知床自然センター隣接作業地の公開に向けてササ及びワラビの刈り取り、広葉樹実生及び希少草本類の分布状況確認等の準備作業を実施した。