ホーム > 知床白書 > 知床世界自然遺産地域年次報告書(平成25年度)

 知床白書    Shiretoko White Paper

はじめに

知床世界自然遺産地域
区域図

第3章 適正利用

2. 適正利用促進の取組

1. 管理計画の実施状況一覧

(2)知床五湖の利用

1)知床五湖の来訪者数

知床五湖では、平成23年度より、知床五湖利用調整地区制度を活用した利用のコントロールが開始され、3年目となった。平成25年度の全体の来訪者数は、385,454人とほぼ前年並みだった。

2)知床五湖高架木道・地上歩道来訪者数

平成25年度の高架木道来訪者数は、247,861人、地上歩道来訪者数は、72,541人だった。高架木道(のみ)来訪者数については前年比19%減、地上遊歩道来訪者数は前年比53%増となった。大雪により5月9日まで地上遊歩道が閉鎖されたことから、5月の来訪者数は73%減となったが、ヒグマ遭遇によるツアー中止が少なかったことや、利用枠が増加したことから、8月の地上遊歩道来訪者数は前年比約4倍となった。

3)知床五湖冬季利用者数

平成25年の冬季利用者数は、14組67名となり、前年比84%減となった。これは、前年の利用方法とは異なり、行程で車両を使用せず全て徒歩での利用となったことや、週末の天候不良による通行止め等が影響したものと考えられる。

4)知床五湖の利用のあり方協議会等の開催について

利用調整地区制度を運用していくため、知床五湖の利用のあり方協議会を3回、知床五湖登録引率者審査部会を4回開催した。協議の結果、利用調整地区制度の導入3ヶ年の実績を踏まえて利用適正化計画の変更が行われ、ヒグマ活動期の地上遊歩道利用者数が300人から500人に引き上げられるとともに、大ループと小ループの併用が承認された。平成26年度の運用については、登録引率者の数や利用ニーズを鑑みて、1日当たりの最大利用者数は、5月に385人、6・7月それぞれ396人の設定とし、小ループツアーは、ヒグマ活動期の一部の期間(6・7月のみ)の実施とした。

表31.平成25年度知床五湖の利用のあり方協議会の開催状況(再掲)

  開催日時・場所 参加者 議題
第1回 平成25年4月15日(月)16:00〜18:00
知床世界遺産センター レクチャールーム
22名 ・指定認定機関の平成24年度収支報告
・平成26年度からの運用設定基本方針について
・登録引率者審査部会会計規則の改正について
第2回 平成25年10月1日(火)14:00〜16:30
知床世界遺産センター レクチャールーム
22名 ・知床五湖利用調整地区 利用適正化計画の改定スケジュールについて
・平成25年度利用調整地区制度の運用結果について
・平成25年度ヒグマ活動期運用改訂実験の実施結果について
・知床五湖利用調整地区利用適正化計画の改定
第3回 平成25年12月5日(木)14:00〜16:30
知床世界遺産センター レクチャールーム
23名 ・知床五湖利用調整地区利用適正化計画の改定について
・平成25年度登録試験結果について