行政機関事業報告書(平成21年度)

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調査・業務名 エゾシカ航空カウント、季節移動調査業務報告書(PDF:1.7MB)
概要 近年の知床半島における高密度化したエゾシカによる採食圧は、知床世界自然遺産地域の自然環境に様々な影響を及ぼしている。そのため環境省は、主要越冬地の一つである知床岬地区において、エゾシカ密度操作実験を平成19年度(2007年度)から実施中である。知床岬が上記実験の実施場所に選ばれた理由の一つは、平成9年(1997年)から航空機を用いたエゾシカ越冬個体数調査が、継続的に実施されてきたためである。これまでの捕獲効果を検証するためには、平成21年度の越冬個体数調査が不可欠であった。
一方、ルサ−相泊地区は知床岬と同様、主要越冬地の一つとして知られていたが、同地区で越冬するシカの季節移動状況に関する知見は無かった。そこで麻酔銃を用いたメス成獣の生体捕獲、耳標・電波発信機の装着を平成20年度に実施し、本年度はそれら個体の追跡調査を実施した。 なお本調査は、H21シカ年度(平成21年6月〜平成22年5月)知床半島エゾシカ保護管理計画実行計画の中に位置づけられている。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード エゾシカ、個体数、知床岬、季節移動、ルサ相泊
調査・業務名 エゾシカ保護管理計画 実行計画策定業務報告書(PDF:863KB)
概要 本業務では、平成20年度までの知床世界自然遺産地域科学委員会会議及びエゾシカワーキンググループ会議での議論や当該地域で実施されているエゾシカに関する調査等を踏まえて、エゾシカワーキンググループ会議の運営や学識経験者への意見聴取等を行うことにより、平成21年度(H21シカ年度)知床半島エゾシカ保護管理計画実行計画案の作成を行うとともに、平成22年度(H22シカ年度)知床半島エゾシカ保護管理計画実行計画案の策定方針を立てることを目的としている。なお本業務は、成16年度から開始され今年度が6年目である。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード エゾシカWG、密度操作実験、知床岬、植生への影響
調査・業務名 グリーンワーカー事業「知床半島におけるエゾシカの植生への影響調査業務」報告書(PDF:12.1MB)
概要 知床半島では、1980年代よりエゾシカが急速に増加している。高密度のエゾシカによる採食圧は、知床世界自然遺産地域の自然環境に様々な影響をもたらしており、エゾシカの高密度状態がさらに長期化する場合、希少植物種の絶滅、高山植生への影響、急傾斜地の土壌浸食等が懸念されている。
エゾシカの採食圧等による在来植生への影響について、知床半島の一部地域に関しては、植生変化の危機的状況が認識されているが、知床半島全体が網羅的に把握されておらず、必ずしも十分な状況とは言えない。また、土壌浸食の実態についてもその定量的な把握が必要とされている。
本業務では、知床岬地区の植生保護柵内外の植生調査を行うとともに、当地区周辺の土壌浸食の状況を把握し、2006年以降不明である遠音別岳のエゾシカによるシレトコスミレの被食の有無を明らかにすることを目的とする。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード シレトコスミレ、知床岬、防鹿柵、植生回復、土壌侵食
調査・業務名 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業
「知床国立公園及びその周辺部セイヨウオオマルハナバチ生息状況監視・防除体制構築業務」報告書(PDF:3.9MB)
概要 セイヨウオオマルハナバチとは、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)に基づく特定外来生物に指定されている昆虫である。
本業務では、知床国立公園への進入/定着/生息域拡大の阻止、ならびに知床岬地区からの完全排除を目的とした生息状況監視及び防除の他、講習会を通じた防除体制構築を行った。うち、知床岬地区では40頭(女王バチ5頭を含む)を捕獲したが、営巣地の確認には至らなかった。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード セイヨウオオマルハナバチ、外来生物、防除、昆虫
調査・業務名 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業
「知床国立公園羅臼地区における環境教育業務」報告書(PDF:4.1MB)
概要 羅臼町では、ヒグマなどの野生動物と住民の間の軋轢が日常的な課題となっている一方、知床が世界自然遺産に登録されたことを契機に、身の回りの自然や野生動物に関心をもつ住民も増えている。
本業務では、自然環境保全や野生動物の保護管理の重要性についての住民の理解の深化、さらには世界自然遺産としての価値を後世に引き継いでいく意識の高揚を目的とし、知床の自然環境などについて平易に解説する複数回の講座を、地域住民を対象に開催した。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 環境教育、住民、講座
調査・業務名 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業
「知床半島海岸ゴミ回収業務」報告書(PDF:7.1MB)
概要 知床半島沿岸部の風致景観を著しく損なっている海岸漂着ゴミについて、状況調査、回収、効果的な回収手法の検討などを実施したもの。
状況調査は、知床国立公園内の全ての海岸線を対象とし、漂着ゴミの量や内容などを調査した。海岸ゴミの回収は、赤岩〜知床岬地区とルシャ地区の2箇所を対象とし、2地区合計で38.73トンを回収した。その他、本業務では検討会及び地元報告会を開催している。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード ゴミ、海岸、漂着
調査・業務名 知床世界自然遺産地域科学委員会運営業務報告書(PDF:1.2MB)
概要 平成17年7月17日に世界自然遺産へ登録された知床では、平成16年度に専門家からなる知床世界自然遺産候補地科学委員会(現、知床世界自然遺産地域科学委員会)が設置されている。本科学委員会では、ワーキンググループにおける懸案事項や、「知床世界遺産地域管理計画」や「長期的に実施するべきモニタリング調査」などワーキンググループを跨り議論すべき事項について検討するとともに、知床で実施されている各種事業および調査についても助言する立場を担っている。 本業務は、平成20年度までの科学委員会会議、エゾシカワーキンググループ会議、海域ワーキンググループ会議、及び河川工作物アドバイザー会議での議論、当該地域で実施されている事業や調査を踏まえ、平成21年度の科学委員会会議を運営した。また、科学委員会で議論されている内容、及び各種調査の実施状況などを科学委員会の委員より地元住民に対して報告することにより、知床世界自然遺産地域の管理に対する理解をより深めてもらうことを目的とした地元説明会の運営を行った。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 科学委員会、遺産地域管理計画、順応的管理、モニタリング、年次報告書
調査・業務名 知床世界自然遺産地域における保全・共生推進のための資料収集及び情報提供業務(PDF:665KB)
概要 平成17年7月に知床が世界自然遺産として登録された。知床では、「知床世界自然遺産地域 科学委員会」での科学的な立場からの検討や「知床国立公園利用適正化検討会議」での適正な利用に関する検討、陸海域での様々な調査等が実施されている。こうした様々な取り組みによって得られた知見や研究成果等に加え、資料や文献等既存の様々な科学的・人文的資料の中から、知床が有する世界的に顕著な普遍的価値の保全と適正な利用を図るために各検討委員会、研究者、関係行政機関等で広く共有するべき資料や文献、研究成果等(以下「資料等」という)を管理・提供するため、平成18年度より、知床データセンターが運用されている。本業務は、知床データセンターの維持管理を行うものである。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 知床データセンター、情報収集・提供、ウェブサイト
調査・業務名 知床半島沿岸域における海洋観測ブイを用いた海洋観測等に係る業務報告書(PDF:5.3MB)
概要 知床は、北半球で最も低緯度に位置する季節流氷域であり、海洋生態系と陸上生態系の相互関係の顕著な見本であるとともに、世界的に希少な鳥類を始めとする多くの動植物の生息・生育にとって重要な地域である。
本地域沿岸における水温、塩分、クロロフィル等の基礎的環境データを継続的に収集することは、海洋環境変動の評価、海域における各種研究及び管理、サケマス研究などの水産資源管理に資するものであり、知床世界自然遺産地域の海域管理計画に位置付けられた各種施策や、海域と密接な関係を持つ陸域の森林管理や持続的な資源利用等を実施していく上で重要な基礎データとなる。
そのため、本業務は平成18年度および平成19年度に整備した海洋観測ブイ2基を用いて海洋観測等を行うものである。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 海洋観測ブイ、クロロフィル濃度、水温、塩分濃度、流向、流速
調査・業務名 (冬期)知床岬エゾシカ密度操作実験業務報告書(PDF:1.2MB)
概要 エゾシカ(以下シカ)の高密度状態が続く知床半島では、シカの採食圧が在来植生に不可逆的な影響をもたらすことが危惧されている。同半島における主要なシカ越冬地である知床岬地区では、在来植生の保護に早急な対策を必要とし、かつ過去からのシカ植生関係の資料がそろっている。本事業では、この地区においてシカの実験的な個体数調整を行い、植生への影響を軽減することが目的である。具体的には、平成19年度から21年度まで(H19年11月〜H22年5月)の3越冬期にメス成獣を中心とした捕獲を行い、シカの越冬数を捕獲前(H18年度越冬期)の半数以下に削減することを目標とする。今期は厳冬期の捕獲最適期(1月〜2月)において、アプローチにリコプターを用いた捕獲を行うとともに、過去2 年間の結果を踏まえ効果的な捕獲手法を検討する。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 知床岬、エゾシカ、密度操作、越冬、植生回復
調査・業務名 日露隣接地域生態系データベース作成検討業務報告書(PDF:4.3MB)
概要 平成17年に世界自然遺産に登録された知床の生態系を適正に保全していくためには、日露両国の協力により、同地域と密接につながりのあるオホーツク海や、同一の流氷南限域の生態系である北方四島及びウルップ島を含む隣接地域における生態系について把握することが重要であり、平成21年5月に日露両国間において署名された「日露生態系保全協力プログラム」では、我が国はロシアと協力し、日露隣接地域における生態系に関する調査を行い、共同統一データベースを作成することとされたところである。
このため、本業務では、「日露生態系保全協力プログラム」に基づき、これまで実施された日露隣接地域における生態系に関する調査成果に基づき、同地域の生態系に関する共同統一データベースの構築について、試案の検討を行う。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード -
調査・業務名 平成21年度 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業
「シマフクロウに脅威となるアライグマの侵入状況調査業務」報告書(PDF:1.7MB)
概要 知床半島基部において、アライグマの生息状況を把握するために、自動撮影カメラによる侵入状況調査、および農業等被害調査を実施し、また、知床におけるシマフクロウ保護のためのアライグマ防除対策の検討を目的とした。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード アライグマ、生息分布状況調査、痕跡確認調査、シマフクロウ
調査・業務名 平成21年度(春期)知床岬エゾシカ密度操作実験業務報告書(PDF:1.2MB)
概要 知床半島における主要なシカ越冬地である知床岬地区では、在来植生の保護に早急な対策を必要とし、かつ過去からのシカ植生関係の資料がそろっている。
本事業では、この地区においてシカの実験的な個体数調整を行い、植生への影響を軽減することを目的として実施している。日帰り捕獲作業を7 回行い、メス成獣42 頭を含むシカ72 頭を捕獲した。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 知床、エゾシカ、密度操作、越冬、植生回復
調査・業務名 平成21年度 知床エコツーリズム総合推進業務報告書(PDF:4.1MB)
概要 環境省では、知床におけるエコツーリズムの推進を目的として、平成16年度から18年度までの3カ年、「知床エコツーリズム推進モデル事業」を実施し、その結果、行政機関、関連団体を構成員とする「知床エコツーリズム推進協議会」が発足するとともに、平成19年3月には「知床エコツーリズム推進実施計画」及び「知床エコツーリズムガイドライン」が策定され、知床におけるエコツーリズムの普及・定着に一定の成果が見られた。
本事業では、これらの成果を踏まえ、知床におけるエコツーリズムをより着実なものとするため、地域関係者が知床エコツーリズムを推進するに当たり、自主的に運営できる仕組みを作り上げることを目的に、平成19年度、平成20年度に引き続き、知床エコツーリズム推進協議会関係者と協力し、以下の事業を実施する。
(1)知床五湖におけるエコツーリズムの推進
(2)羅臼町における地域産業連携型エコツアーの実施等
(3)事業の総括と今後の展望
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード エコツーリズム、知床五湖における地上歩道コントロール、漁業体験
調査・業務名 平成21年度 知床国立公園ウトロ海域における適正利用検討業務報告書(PDF:2.8MB)
概要 本業務では、ケイマフリ等海鳥の保護と持続可能な海域利用の両立をはかるため、海域の利用状況や過去の海鳥の調査結果の検証を行った上で、観光船等に求められる環境保全措置のあり方と、必要なモニタリングのあり方について検討するため、海域利用関係者(事業者等)と関係行政機関に加え、海鳥等に関する学識経験者の参画した検討会を開催した。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード
調査・業務名 平成21年度 知床国立公園利用適正化検討調査報告書 【報告書】(PDF:1.3MB)【資料編】(PDF:12.6MB)【別冊協議会資料】(PDF:16.0MB)
概要 本調査業務は、知床五湖を中心として、知床連山、羅臼湖、カムイワッカなどの知床半島中央部地区、及び、知床半島先端部地区において「利用適正化基本計画」の具体化を進め、関係者の合意形成を図りつつ、ルール作成、ルールの周知、利用実態・利用影響のモニタリング等を行うものである。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 利用適正化、利用の心得、知床五湖、利用実態調査
調査・業務名 平成21年度 知床世界自然遺産地域生態系モニタリング調査業務 報告書(PDF:57.9MB)
概要 平成17年度から平成21年度までの5年間にわたり、陸域、及び水域における各種調査を実施するとともに、本事業によって実施された調査の結果報告会を開催したほか、知床世界自然遺産地域科学委員会において議論がなされている遺産地域を適切に保全管理していくために必要となるモニタリング手法等についての検討を行った。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 生態系調査、モニタリング
調査・業務名 平成21年度 知床半島における森林生態系保全・再生対策事業(広域調査)報告書(PDF:12.2MB)
概要 エゾシカの増加に伴い、知床の原生的な森林生態系に影響が現れていることから、多数の固定調査プロットを設け植生調査を行い、エゾシカの保護・管理に役立てています。
発注者 北海道森林管理局
キーワード エゾシカ、植生
調査・業務名 平成21年度 世界遺産保全緊急対策事業(河川工作物改良の効果検証)報告書(PDF:18.4MB)
概要 平成18年度〜平成22年度に河川工作物の改良を行ったイワウベツ川流域において、サケ科魚類の遡上・産卵状況などを調査し、産卵環境の改善を確認しています。
発注者 北海道森林管理局
キーワード 河川工作物、イワウベツ川、サケ科魚類、遡上、産卵環境
調査・業務名 平成21年度 羅臼岳登山道携帯トイレ用ブース導入検討調査業務報告書(PDF:1.3MB)
概要 知床世界自然遺産地域の中央部に位置する知床連山では登山道沿いでの屎尿の問題が顕在化している。本調査は、知床連山において一定期間に携帯トイレブースを試験的に設置し、その利用状況や利用者の意識について調査を実施し、携帯トイレブースの設置及び管理について計画案を策定するものである。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード 羅臼岳、登山道、携帯トイレ、屎尿対策
調査・業務名 平成21(2009)年度 ルサ相泊地区エゾシカ捕獲手法検討調査業務報告書(PDF:2.3MB)
概要 近年の知床半島における高密度化したエゾシカによる採食圧は、知床世界自然遺産地域の自然環境に様々な影響を及ぼしている。そのため環境省は、知床世界自然遺産地域科学委員会での議論を受けて、主要越冬地の一つである知床岬地区において、エゾシカ密度操作実験を実施中である。さらに同委員会エゾシカワーキンググループの平成21年度第2回会議では、知床岬における繰り返し捕獲による捕獲効率低下を踏まえ、囲いわなを用いた大量捕獲や、餌付けや爆音機を併用して少数誘引個体の頭頚部を狙撃して全滅させる捕獲手法(シャープシューティング)等を検討し、試行することが合意された。
本業務は、エゾシカ密度操作実験の実施候補地の一つとなっているルサ相泊地区において、捕獲効率の低下を招かないような捕獲手法を予備的に検討調査したものである。
発注者 環境省釧路自然環境事務所
キーワード ルサ相泊、エゾシカ、捕獲、シャープシューティング